薬の基礎知識も必要

介護を必要とする高齢者や障害者は、普段から何らかの薬を服用しているケースも珍しくありません。
薬を効果的かつ安全に作用させるためには、医師の指示通りに正しく服用することが重要です。
その前提として正しい管理体制も必要になります。

本来、服薬管理というものは、医師や薬剤師あるいは看護師が中心に担うものですが、介護現場では介護職が利用者の日常生活をサポートする以上、普段から服薬管理までチェックしなければなりません。
したがって、このような利用者の日常生活をサポートする介護職には、薬に関する基礎的な知識が求められます。
もしこれを怠ると、薬の副作用によって思いがけない事故を招きかねません。

高齢で体の不自由な利用者は、実際に薬の自己管理ができなかったり、正しく服用できないケースがよくあります。
例えば服用方法を誤ったことで症状が進行したり、消化器症状や低血糖症状あるいは掻痒感やふらつき等、様々な副作用が起こるようになります。
その副作用をきっかけとしてADLと呼ばれる生活日常動作が低下し、寝たきりや認知障害へつがなるケースも、決して珍しいことではありません。

薬は剤型をはじめ用量や用法、併用する他の薬や飲食物との相互作用、さらに年齢や性別あるいは感受性など様々な要因によって、効果が左右されます。
介護現場で利用者が薬を服用している場合には、薬の種類から利用者の体調までしっかり把握しておき、副作用が現れることも予測した上で、介助と観察を怠らない姿勢が大切です。