色彩の知識があると役立つ

介護現場で役立つ知識の1つに、色に関するものがあります。
健康な人や若い人には分かりにくいところですが、高齢になり、目の病気を抱えたり、目の機能が衰えたりといったことになると、色の見え方が変わります。
利用者との間で、同じもの、同じ色を見ていたとしても、見え方が違えば、そこから受ける印象も変わるので、認識にズレが出て来ることも少なくありません。
けれど、そうした変化に気付くことが出来なければ、言動がおかしい、話が通じないと、間違った判断をしてしまうことになるので注意が必要です。

特に色彩の違いが顕著に現れるものと言えば、食事です。
高齢者の色の見え方は、水晶体の白濁が進行すると、褐色のフィルターがかかったようになります。
そのため、新鮮な野菜や果物が目の前にあっても、褐色がかって見えてしまうので美味しそうに見えません。

人は本来の味よりも見た目から受ける印象が勝り、見た目が美味しそうでなければ美味しくないと感じてしまうことも多いので注意が必要です。
また、見え方の違いから、いじわるをされている、古い食材を使われていると感じ、ストレスを抱えた結果、利用者の食欲が低下してしまうといったこともあります。

けれど色彩を意識し、利用者との間に見え方による違いがあると気付くことが出来れば、問題を大きくせずに解決することも可能です。
それだけでなく、色彩に関する知識を活かせば利用者の食欲を増進させることも不可能ではないでしょう。
食事の際に活かせる色彩の知識→介護にも役立つ「色彩の力」

食事に限らず、利用者の精神面や安全面でも色彩は大きな影響力を持っています。
利用者にもっと生活を楽しんでもらいたいと感じているのであれば、色彩について学んでみるのも良いのではないでしょうか。